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ブラックジャーナル

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2019年07月26日
ポジティブ

「ブラックユニオン」の実態

ルールを守らず、周囲や社会に迷惑をかけるブラック企業やブラック経営者が存在するなら、同様に「ブラック社員」や「ブラックユニオン」もいるはずだ。しかし「労働者批判」はタブーのようで、ツイートすれば叩かれるし、なかなか報道もされないため、自ら筆を執った。新刊書「ブラックユニオン」は本日発売!!

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ちなみに私が批判する「ブラック社員」とは、相対的に能力が低いとか、頑張ってはいるがなかなか成果が挙げられない、といった類のものではない。そもそも組織に貢献する気がなく、遅刻や欠勤が常態化し、業務時間中でもゲームに興じ、セクハラやパワハラを悪気なくやってしまうようなタイプの「問題社員」のことだ。労働力不足が確実となってしまったこれからの日本においては、ブラック企業問題以上に、この種のブラック社員の問題にも向き合わないといけなくなるだろう。

「問題社員に限って、権利主張が強すぎる」と感じられたことはないだろうか。私自身は法律上の労働者の権利を広く伝え、遠慮せずに行使するよう触れ回っている側の人間なのだが、その私でさえも、度が過ぎると感じるケースはよく見聞きしている。

彼らの共通点は、自身の問題点について指摘を受けても「知らなかった」「教えない上司が悪い」「仕組みがなっていない会社の問題」「生まれた時代が悪い」「政治が腐敗している」…という具合に、自分は何も悪くない、責任は全て自分以外のどこかにあるという「他責思考」であるということだ。それでは単なるクレーマーと変わらないし、全てを会社や社会の責任にするだけでは結局何もできない人になってしまうだろう。

さて、本書はごく一部の悪質な労働組合の実態を暴くものだ。そもそもブラック企業が幅を利かせる世の中において、労働組合の力は環境改善のために必須であり、個別企業の枠組を超えて力を結集できる合同労組=ユニオンの発言力、紛争解決力も増している。非正規雇用者の割合が約4割にのぼる現在、彼らにとって労働問題の解決手段としてのユニオンは実に頼りがいのある、頼もしい存在であるといえる。

しかしそんな真っ当なユニオンの中に、ユニオンの名を汚す悪質な勢力がほんの一部だが存在している。本書では彼らを「ブラックユニオン」と呼び、今まであまりメディアでは語られてこなかった被害事例や問題点を論じている。

ブラックユニオンの考え方や主張は、他責思考の問題社員と同じだ。もちろん、きっかけとなった争議先の会社にも問題や課題はあるだろう。ただ、もしかしたら不平不満を漏らしてユニオンに駆け込んだ社員側にも何かしらの原因があったかもしれない。まともなユニオンであれば社員側の心構えや行動も指摘した上で改善を要求するだろうが、ブラックユニオンは全てが会社側の落ち度として、恫喝的な交渉を仕掛け、多額の和解金を得ようと画策するのだ。場合によっては被害者社員の心情や要求も無視して、自分達の利益のために暴走する。

本書を参考に、「合法的な総会屋」のごとき彼らのありのままの姿を知って頂きたい。そして、恐れることなく彼らと対峙し、キッチリと自社の立場を主張頂くと共に、そもそも彼らに余計な介入を許さない、良好な労働環境を実現されることを祈念している。

「ブラックユニオン」

https://www.amazon.co.jp/dp/4792606527/

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