ハシモトホーム自殺事件から考える、パワハラがなくならない4つの理由
青森県八戸市の住宅会社ハシモトホームに勤めていた40代の男性が2018年に自殺した。その原因は、上司からのパワーハラスメントや過重労働であるとして、男性の遺族が会社側に約8000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことが先日大きく報道された。
20年、青森労働基準監督署が自殺の原因は「上司のパワハラで重度のうつ病を発症したため」として労災認定した。その後遺族は謝罪などを求めて会社側と交渉していたが、会社は「法的責任はない」として交渉は決裂。そして今般の提訴に至った。
会社側も提訴と報道によってようやく責任を認め「本件を重く受けとめ、最大限誠意ある対応を取る」とコメント。また外部専門家に本件の調査を委嘱し、原因調査と再発防止策の提言を実施することも発表している。
会社が「余興のつもりで」侮辱賞状を渡し始めたのが約10年前。男性社員の自殺が4年前。労災認定が2年前。その間、会社はずっと責任を認めてこなかった。慌てて謝罪したのは遺族に訴えられてから。ここから分かるのは、パワハラは加害者にとっては実に無自覚に行われるものであり、被害実態が見えづらいということ。そして結果的に誰からも「おかしい」と声が上がらず、倫理観が欠如した環境に皆が慣れてしまう、というおぞましい事実だ。
もしかしたら、本稿の読者諸氏の中にも「それくらいのイジりはウチの会社でも普通にやっている」「個人のストレス耐性の問題では?」などと感じている人がいるかもしれない。だがその認識こそ、皆が無意識のうちに不幸なパワハラ被害者を産んでしまう元凶になりかねない。
これほどまでにパワハラが問題視され、法律まで制定されているにもかかわらず、パワハラ被害は減るどころか増加している。では、なぜパワハラはなくならないのだろうか?
筆者に寄せられた被害相談・トラブル解決依頼のケースや、ハシモトホームをはじめとするこれまで大きく報道されてきたパワハラの事例を見ると、パワハラがなくならない理由は大きく4つに分類できる。
(1)加害者、被害者ともに、何がパワハラに該当するのか知らない
(2)加害者に、自身の言動や行為がパワハラである旨の自覚がない
(3)被害者が声を上げづらい
(4)パワハラに対する直接的な罰則が緩く、抑止力になっていない
詳しい解説は記事をご覧頂ければ幸いだ。
ハシモトホーム自殺事件から考える、パワハラがなくならない4つの理由
(ITメディア)