「週刊SPA!」(9月13日号)の特集、「職場で男を下げる50の瞬間」にてコメントしている。
ここでは、本誌に掲載されなかった部分も含めた、コメント全文をご紹介したい。
1:同僚から「この人、男を下げたな」と思われてしまう瞬間の例
・活躍・出世する女性社員について「女を武器にしている」などと噂する
・違う意見の人に対して、自らの正当性を強く主張して論破し、白黒つけたがる
・自分で仕事を抱えて「ボトルネック」になっておきながら、
「オレがいないと仕事が回らない」とカン違い
・左遷が疑われる人事に関して「○○さんは取締役の□□さんと揉めて飛ばされたらしいよ…」
などと、聞かれてもないのに事情通よろしく噂をまき散らす
<新田コメント>
明言はしていないが、これらの行動や言動の端々には「承認欲求」と「自己保身」が透けて見える。
周囲からはバレバレなのに、本人はそれに気づかず、「他人より1ミリでも高い立場にいたい」と
必死になっている様子が、「こじらせている…」「痛々しい…」と見えてしまうのだ
実力で出世できる人や、周囲から慕われている人などは決して、自分から「評価してくれ!」
「オレの人徳すごいだろ!」などとは言わない。ことさらPRせずとも、圧倒的な実績や普段の
振る舞いなどから「周囲が認めざるを得ない」「自然に人が集まってくる」からだ。
男を下げる人たちは、自分自身の本当の実力や真の人柄だけでは彼らに太刀打ちできないことを
分かっている(たまに、それさえ分かっていないバカもいる)が、嫉妬や羨みなどが邪魔をし、
心底では納得できないでいる状態にある。
そこで童話「すっぱいブドウ」のように、「アイツは実は○○だからだ」と何かしら理由をつけて
貶め、どこか針の先1点ほどのスペースであっても、自分が優位に立てる場所を占めようと
必死の努力をしているのだ。
彼らの「男を下げる言動」は、周囲に対して言っているのではない。
自分自身を無理矢理納得させるために、自分に対して言い聞かせているのである。
2:後輩、部下から「この人、男を下げたな」と思割れてしまう瞬間の例
・自分より出世したり、明らかに活躍したりている後輩について、本人がいないところでは
「昔オレが育ててやったんだ」などと先輩風をふかせて語るが、本人の前では無口になってしまう。
実際、後輩本人に確認すると「特にお世話になった記憶はありません」などと言われる
・普段は部下指導になんら熱心ではないのに、美形の新入社員や中途入社社員の教育担当には
積極的になりたがる
・自分より仕事ができる後輩や部下に対して、学歴や収入、持ち家や車などで張り合おうとする
<新田コメント>
期待度合の大小はあれど、組織人であれば何かしら「理想の上司像」についてイメージを
抱いているもの。
それは例えば「部下に自由に仕事させ、責任は自分が負う」「部下の働きをよく見ていて、
折に触れて褒めたりねぎらったりする」「部下の成長を支援する」…といった要素が挙げられる。
いずれも共通しているのは、自分よりも他人に対して関心を持ち、積極的にポジティブな
関わりを持とうと意図している点だ。
部下に対して男を下げてしまう行動はその真逆である。
「自分自身の保身や出世しか眼中にない」「周囲への関心や配慮がないため、本人も
気づかないうちに害悪を振りまいている」といった点が共通しているといえよう。
3:取引先に対して「この人、男を下げたな」と思われてしまう瞬間の例
・毎回、「開封確認」機能つきのメールを送りつける
・受注するまでは「なんでもやります!」「○○もできます!」と息巻いていたのに、
受注するやいなや何かしら理由をつけ、「○○は難しい…」と言いだす
・受注するやいなや、電話頻度や訪問回数が激減し、客側から連絡しても対応がそっけなくなる
<新田コメント>
これらのケースを一言で表すならば、不用意な行動や言動によって「底が浅い」ことが
相手にバレてしまうパターンといえよう。さらに共通しているのは…
・さほど「デキる社員」ではなく、そうなるために相応の努力もしていない人が
・せめて取引先くらいにはいい所を見せたいと考えて、安請け合いしたり、
知ったかぶりしたり、見栄を張ったりして、一時は歓心を買うが
・結局は中身がなかったり、付け焼刃だったり、適当なごまかしだったりしたことが
知れて、「仕事や自分たち取引先に対して真摯でなかった」ことが露呈
・同時に、「できる!」として請け負っていた納期やクオリティ、金額などについても
「期待値調整」に失敗しており、「期待外れ」だと思われている
・でも本人は、既に底の浅さが相手にバレていて、信頼をなくしていることさえ気づかず、
引き続きヨイショしたり、表層的なPRを繰り返したりしている
といったところだろう。
表層的に「良く見せよう」などとセコい考えを抱かず、地に足を付けて、
日々の取引先とのやり取りを大切に扱っていくことが必要だ。
3:SNSでの仕事相手に「この人、男を下げたな」と思われる瞬間の例
・いまさらfacebook上で「おはよう運動」をやっている
・「さあ!今日も一日志事できることに感謝!」など、意味不明の
「意識高い系当て字」+「自分に気合入れる系」+「朝日の写真」の投稿が毎日続き、
誰からも反応がない
・水着やミニスカートなど、女性のセクシー系投稿に決まって反応し、「健康的ですね!」
など、極力エロさを感じさせないように気を遣った風のコメントを残す
<新田コメント>
SNSをはじめとするネット上での振る舞いには、普段は見えにくいその人の人間性や
社会性が色濃く反映するもの。「万能感」と「密室性」(匿名性)が得られるという点
において、クルマの運転と似たところがあると言える。
スピード違反などの「(厳密にいえば)違法行為」について、違法と分かっていながら、
さほど厳しくは見咎められないため、皆シレっとやってしまっているところまでそっくりだ。
異性とお近づきになろうとする程度であればまだ可愛いものだが、リアルや対面では
とても口にできないような暴言を吐いたり、偏った思想を述べたりするのは大変
「イタい」ことであり、場合によっては危険ですらある。
本来、そのような万能感など一時的なものであり、SNSの場合もリンクしている人に
対しては匿名性などないに等しく、ネット上ではログが残る以上、不用意な発言は
慎むべきところだ。しかしそのような点を把握・理解できておらず、本能的に行動して
しまうところが「イタい人」と映り、男を下げてしまうことに繋がる。
また「意識高い系」や「サードウェーブ系」などについても、「中身の伴わない胡散臭さ」
を感じられるが故に「系」と揶揄されているのであり、彼ら自身は大真面目でも、
結局は「上げ底セルフブランディング」に血道をあげ、承認欲求を周囲に振りまく、
いびつな自己愛に溢れた気持ち悪い存在であることが見透かされているのだ。