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ブラックジャーナル

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2016年04月03日
ポジティブ

野村総合研究所 幹部社員セクハラ事件の実態

今回はシンクタンク業界最大手、「野村総研」について述べていこう。

シンクタンク、というと業務内容をイメージしづらいのだが、リサーチ、ITコンサルティング、システム運用などを一貫してサービス提供する会社である。民間、公共双方に強く、就活生の間でも人気が高い。 全従業員の平均年収は1,156万円(2015年度)と高水準だ。

文字通り「大手一流大企業」である同社の何が問題なのか。これは、一部で継続的に報道されている「幹部社員セクハラ事件」を知って頂くのがいいだろう。

コトの成り行きはこうだ。中心人物は同社北京社副社長の「Y氏」である。Y氏の行動にはいろいろと問題提起されている。

・Y氏が、取引候補先の女性社員に対して、発注主であることの優位性を濫用して強制わいせつ行為をおこなう
・Y氏が利用していた航空会社のCA(客室乗務員)に対して、酒席に誘い、酔わせて襲いかかる、彼女たちをタクシーで送る様子を見せ、マンションに強引に上がり込むなどの行為をおこなう
・中国の大学の女子大生らが参加するミスキャンパスコンテストにおいて、Y氏がミスコン主催会社に「スポンサードする」という条件をつけ、ノミネートされた女子学生達を水着にした写真撮影会を行い、Y氏本人がカメラマンとして彼女達を撮影したり、Y氏の個人的な旅行に同伴させる等の行為をおこなう

他にも挙げていけばキリがないくらいの悪質行為をおこなっているY氏なのだが、野村総研側は知らん顔だ。被害者女性らへの謝罪も賠償もせず、Y氏を相変わらず被害者女性らの近くに放置している。

この問題については、強制わいせつ被害者の知人・友人が共同で設立した「被害者を救う会」が公開質問をおこなっているが、未だなんら明確な返答はない。

確かに許されないことなのだが、ここまでであれば、まだ他の会社でも起こり得ることである。野村総研が悪質なのは、この後のやり方だ。

同社はさらに脅迫的な対応を被害者女性らに行っている。それは、提訴している「救う会」ではなく、被害者女性本人に対して「逆提訴」をやってきたのだ。「セクハラとか強姦とか、事実かどうかはともかく、印象が悪くなったので賠償金として1,000万円以上を被害者女性が支払え」と言って、被害者女性が救う会に関与しているという立証もせずに、救う会の行動について無理やり提訴してきたわけだ。なんという一方的な言い分だろうか。

私は野村総研が出してきた実際の訴状を見せてもらったが、同社の悪質さぶりがよく分かる内容だった。

損害賠償額が1,000万円以上となっていたが、損害の算出根拠がまるで不明という杜撰さ。何より、立場の弱い女性個人を狙い撃ちし、脅かす意図が明らかなのだ。

訴訟などになじみがない人にとっては、

「被害者なら、裁判で争えばいいじゃないか」

と思われるかもしれない。しかし、実際はそんな簡単なことではないのだ。

そもそも、一部上場クラスの大企業から高額の損害賠償を請求されれば、まず精神的に大きなプレッシャーがかかる。
自宅には大量の書類が裁判所名義で送りつけられ、周囲には「被告」として認識されてしまうわけだ。更に弁護士費用などの金銭負担、その他時間的、物理的負担がのしかかる。
そして実際の裁判になると、どのような性的被害を受けたのか、詳細な情報が広く一般に公開されてしまうことも耐え難い要素だ。

ここまでされてしまっては、「いっそ泣き寝入りしようか…」と追い詰められても不思議ではない。

このように、大企業が脅し目的で、立場の弱い個人を訴えることはままある。勝訴判決を得ることが目的ではなく、企業に対する権利要求を取り下げることがねらいなのだ。このような悪質な行為を見過ごすわけにいかない。

確かに野村総研は業界トップの大企業であり、就活生の間でも人気が高い。社員の皆さんも優秀で良い人が多いのも確かだ。しかし、その裏ではこのような行為を平気でおこなう体質がある、ということも認識しておいて頂きたいところだ。

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