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2025年12月20日

「炎上」ではなく「失望」だった─フィンランド人権論とアジア人の現実の断絶

2025年12月、フィンランドの「つり目ポーズ投稿」騒動が、ネット上で話題になった。これはフィンランドの著名人や政治家らが、アジア人を連想させる「つり目」のジェスチャーをSNSに投稿したことをきっかけに、国際的な批判が広がったものだ(前編記事はこちら)。

なお本件事案においては、筆者も騒動拡大の当初より苦言を呈していた。実際に、フィンランド外務省のXアカウントにおける人権啓発投稿に対する引用リポストという形で、フィンランド大統領、フィンランド政府、フィンランド人権担当大臣も宛先に加え、2025年12月13日に次のような投稿をおこなったのだ。

https://x.com/nittaryo/status/1999784100262273461

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新田苦言投稿(日本語訳)

今回の差別的ジェスチャー問題につき、アジア地域に生きる一人として深い落胆を覚えております。

アジア人の外見的特徴を誇張するジェスチャーは、欧米で長年にわたり排除対象とされてきた「差別の象徴」であり、学校で子どもが強制される“いじめ”の常套手段であり、スポーツ界でも繰り返し処分対象となってきた行為です。その歴史的背景を理解しないまま、あるいは理解したうえで軽視し、公的立場にある人物が再演したことは、単なる失態では片づけられません。

さらに深刻なのは、多くのフィンランド国民が「この程度のことを差別と騒ぐな!」「ユーモアも分からないのか?」と反応している現実そのものであります。「意図がなければ差別にならない」という議論は、国際人権基準では既に通用しません。そして、他民族に対する『侮辱』はジョークとして扱えるものでもありません。本件に関しては中国人のみならず、多くのアジア人が不快感を露にしています。

もちろん、私が知る限り、フィンランドには親切で誠実な市民が大勢います。だからこそ、「差別を単なるユーモアと誤認してしまう文化的風景」をそのまま放置することは、フィンランドの名誉を傷つける行為であり、アジア系住民の安全にも直結する問題であります。

関係者各位におかれては、ぜひこの問題が「特定国の反応」などではなく、アジア全体の尊厳に関わる国際的課題であることをご認識いただき、貴国が国際社会で自ら掲げる人権原則と整合する対応を取られんことを期待しております。

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本件投稿のインプレッションは600万を超え、現地の方々も含め多くの人にご覧頂くことができた。

さらにその影響か、フィンランド最大規模の新聞社のひとつである「イルタレフティ」紙より、筆者宛に取材依頼を頂いた。筆者のX投稿が現地でも拡散しているので、改めて個人的な見解を伺いたい、との趣旨であった。

おそらく紙面の制約もあるであろうから、どこまで真意が伝わるかは不明なものの、筆者は極力簡潔に、次のような見解をお伝えした。

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続きは「新田龍の職場改革通信:働く人と組織を守るニュースレター」をご参照頂ければ幸いだ。

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