お問い合わせ緊急相談窓口

ブラックジャーナル

<< 記事一覧に戻る
2019年03月30日
ポジティブ

OB訪問で相次ぐ「就活セクハラ」防ぐには 大学側も警戒、学生に注意呼びかけへ

「キャリコネニュース」において2019年3月29日に配信された記事、「OB訪問で相次ぐ『就活セクハラ』防ぐには」においてコメントしている。

度々報道される、OB訪問を利用した就活生へのセクハラ問題。記事には掲載されなかった
コメントも含めて紹介差し上げる。

<相次ぐ報道についてどう考えるか>
⇒報道に上るのは、皆が名前を知っていてニュースとして拡散する可能性の
 高い大企業や有名企業だけ。報道もされない無名企業を含めると、事件
 数も被害者数も更に多いはずだ。Business Insider Japanが実施した
 「就活セクハラ緊急アンケート」調査によると、2人に1人の学生が就活中
 にセクハラ被害に遭い、そのうち約7割が誰にも相談できずにいると回答
 している。被害者は当該企業の選考辞退となることはもちろん、心に深い
 傷を持つようになることも多い。「就活セクハラ」という表現がそもそも
 緩く、「就活暴行」「就活強姦」といった禍々しい表現を用いて、歴と
 した犯罪であり、重大な人権問題であることを強く問題提起すべきだ。

<OB訪問する学生は何に気をつけたら良いのか>
・相手と会う際は、「二人きり」「夜」「人気のない所」等を避ける
・LINE等の個人連絡先の交換は避け、企業と大学のPCメールアドレス
 でやり取りする
・OB訪問で会う相手には一般的に採用権限がないことが多いので、
 「俺が口利きする」、「家に来たら●●してあげる」といった
 交換条件や甘言は真に受けないようにする
・会話は録音しておく
・疑義があれば、大学や労働局に情報共有と相談をおこない、当該
 企業に対しては公式に「御社にはこのような採用手法があるのか?」
 と確認を入れる

<そもそも、なぜこんなに何度も発生してしまうのか>
⇒以下複数の要素が絡み合い、表に出にくく、かつ加害者にとって
 実行へのハードルが低くなっていると考えられる

~被害者側の要素~
(1)被害者側が企業との力関係の差を考慮し、「選考に落ちたら困る」
  「報復されたら怖い」「オオゴトになったら大学の後輩にも迷惑が
  かかるかもしれない」といった感情を持ち、泣き寝入りしている
(2)相談窓口が分からない、どこに告発したらいいか分からない、
  相談や告発しようにも証拠がない
(3)相談したところで何も変わらないし、相談や告発に当たって
  イヤなことを思い出したくないという気持ち
(4)自分が決断してOB訪問したことで起きたので、自分の責任だ、
  軽く扱われた自分が悪いという気持ち。もしくは、相談することで
  自意識過剰だと思われたくない気持ち
(5)世の中の男性はそんなもの、「就活あるある」みたいなもの、
  そもそもセクハラだという自覚がなかった等

~加害者側の要素~
(1)上記のような被害者側の事情をある程度承知しており、
  「自分に採用権限があると思わせておけば、被害者は声を上げる
  ことはないだろう」と舐めてかかっている
(2)「自分に異性として魅力があるから相手が了承している」と
  カン違いしており、そもそもセクハラとして訴えられることを
  想定していない
(3)「就活生と先輩社会人」という関係性により「下駄を履く」
  ことができるため、経験豊富な異性を相手にするよりも比較的
  労力をかけずに相手と親密な関係になれる好機と捉え、その機会
  を楽しもうとするあまり、その後のリスクを考慮しない

<選考が有利になるから誘いも断れなかったのでは、という意見について>
⇒実際、被害者側からも同様の考えによって「断り切れなかった」との声も
 出ている。そもそも、人事採用選考の専門家でもない一介の社員が、単に
 「個人の印象」で就活生に加減点して採用を左右するシステムが存在する
 こと自体がおかしいのであり、セクハラの温床になるようなOB訪問は
 企業として推奨したり、選考要素にいれるべきではないと考える。
 就活生の間では都市伝説のように語り継がれているが、そのような事実が
 ないのであれば、企業側が公式に否定すべきである。

<事件発生を防ぐためには>
⇒そもそも就活生がOB訪問を希望する理由は、上記の「選考で有利になる
 かもしれない」という憶測に加え、「実際に働いている人に内部の実情
 を聴きたい」という意図があるが、それさえ企業側が認定するOBと会う
 のであれば、企業側によって編集された「望ましい情報」が一方的に伝え
 られるだけの、何ら意味がない茶番劇でしかない。
 であれば、企業側はネガティブと思われるような内部事情(実労働時間、
 有休取得率、離職率、制度が実際に使えるか、上司の人柄、ノルマの
 難易度…など)を全てオープンにし、「ネガティブなことも全部含めて
 納得ずくで入社する」という状況を創り出すことで、「そもそもOB訪問
 の必要がない」状態こそ理想であると考える。

記事はこちらから。

<< 記事一覧に戻る

あなたにおすすめの記事